祝い花に限らず、冠婚葬祭や目上の人へのフォーマルな花贈りには格の高い花材を用いて華やかに飾ります。花贈りで大切なことは相手のことを思いやる気持ちです。嬉しいときにはもっと嬉しくなるように、悲しいときにはその気持が和らぐようにお花を贈りましょう。お贈りする相手の方が普段どのような色やお花が好きかなど、相手の好みを知っておくことも大切です。
お店の開店祝いなどのアレンジメントは大きく活けてお店の雰囲気を華やかに演出します。バスケットなどの花器に生ける場合と、お店の開店祝い用のスタンドに活ける場合があります。どちらのものが良いのかは先方に前もって確認しておきましょう。出入り口に飾られているものはお店に来店されたお客様が抜き取って持ち帰ることができます。早くお花がなくなったほうがお店の繁盛につながるとされ、縁起がいいとされています。
新生活の門出を祝うお花を贈るとき、赤い花は火を連想し、火事につながるのであまり良くないといわれています。先方のインテリアのイメージに合わないときもあるので、強い色の花は避けた方が無難です。また、生花アレンジメントのほか、観葉植物などの鉢植えも適しています。
ショップやオフィス、また展示会などに飾る場合、お部屋は乾燥に強いものを贈ると良いでしょう。メンテナンスが簡単なアレンジメントやコチョウランなどの鉢植え、観葉植物の鉢植えなどがおすすめです。
お見舞いに花を贈るのは、花に宿る活霊によって相手の生命力をよみがえらせようという昔の言い伝えがもとです。出産祝の時もそうですが、香りの濃厚な花、花粉の散る花、すぐにしおれてしまう花はタブーです。先方に花瓶のない場合もあるので、アレンジメントを贈るのが無難です。病院によっては生花を置くのをNGとしているところもあるので、前もって確かめておきましょう。
欧米では花に宿る活霊が死者をよみがえらせる、死者の転生を助ける、という呪術的な意味も込められて花が贈られました。活霊の生命力は常緑であったり、香りが強ければよけい強力であると思われていたので、それらの植物が葬儀に使われてきました。香りの強い花は白い花が多かったので白が葬儀の色とされました。日本では仏式、神式では花かごを供えますが、地方によって色や形が異なるので、確認しておきましょう。法事の花は比較的自由な花選びができますが、葬儀では格の高い白い花が無難です。